これはある男性から伺ったお話しであります。
体調不良を訴え病院で検査の結果、肝臓に腫瘍があることが発覚、
手術を行い摘出、病理検査の結果、特殊ながんであった。
術後2ヶ月目に再発が確認、現在は抗がん剤治療で入退院を繰り返す。
家族は妻と小学生が息子が1人、仕事もできず、がん保険の給付金で家計を支える。
現在は母と同居しているが、ある程度の年金があるため生計は別、扶養でもない。
兄夫婦は近距離で家庭を持っている。
ここから「ある男性」のお話が始まります…
【ある男性】
私はいま、がんの治療で入院しています。自分でも「がん」のことを勉強し、担当医に色々と相談していますよ。まあ、前向きに治す努力をしていまからね。そして決してあきらめません。
しかし、「もしも!」のことも考えておくことも必要だとわかっています。
私が自分の母よりも早く亡くなったら、妻が母の面倒をみなきゃいけないのか?その後、母が亡くなったとき、遺産はあるのか?遺言を書いてもらうか?
いまのうちに、そういったことを妻と話して、そして母にも話しておく必要があるんです。
私の場合に限ってのみのことですがね、考え悩み調べた内容を聞いてもらえますか?
死後離婚すると相続はどうなるのか?
私が亡くなれば、遺産は妻と息子に相続されます。その点については問題がありません。
私が亡くなった後に、私の母が亡くなった場合はどうでしょう?母の遺産は、私の兄と私の息子(代襲相続)に相続されます。
なので、妻が私の母の老後の面倒を見ても、遺書がなければ妻が私の母から相続することはできないのです。そして死後離婚の手続き(姻族関係終了)をしても、母の遺産は私の息子に相続されます。
私の母の遺産はほとんどないと思います。不動産もほとんど評価はありません。私の息子がおばあちゃんの遺産に期待することはないです。もし母の遺産が借金である場合、うちの息子にその影響が出ないことだけは気をつけねばなりません。
私の妻には実の両親が遠く離れた場所にいます。その両親も私の母と同年代で、まだまだ元気です。誰が老後の面倒を見るのかという話はしたことがありません。
仮に妻の実の両親が亡くなれば、その遺産は妻と妻の兄が相続します。妻が親の面倒を見るならば、私の母よりも、実の両親のほうがまだマシでしょう。うちの妻は両親と仲が良く、その両親も妻が老後の面倒を見るならば気が楽だと思うんです。
死後離婚すれば親の面倒は見なくていい
そもそも、私が亡くなれば夫婦の婚姻関係も終了します。なので、妻が私の母の老後の面倒を見る必要性はありません。
ただ、兄夫婦の関係は良好だとは言えません。いつ離婚するかわかりません。さらに言うならば私の兄の嫁は、母とは仲が悪く老後の面倒を見ようとは、これっぽっちも思ってないでしょう。
そうなると同居している私の妻が、いずれ母の面倒を見ざるを得ない状態になるかもしれません。母からの遺産もなく老後の面倒を見るのでしょうか?
私の母は基本的に元気な人です。気概のある人で老後の面倒を息子の嫁に見てもらおうとは思わないでしょう。そういうプライドだけは強いのです。年金生活ですが、そこそこもらっているようです。
ただ今の同居の状況が続けば、何かしらの事故があった場合、妻が母の面倒を見ることになるかもしれません。それは避けたほうがいいのではないでしょうか?
死後離婚 生きているうちに妻に伝えよう
これから妻に伝えようと思います。私が亡くなったあと、息子を連れて実家へ戻ればと。
念のためのことを考えて「死後離婚」の手続きも検討しておくようにと伝えます。姻族関係終了届を出すことは、決して亡き夫を裏切ることではないのです。それをちゃんと理解していると、今のうちに妻に伝えておきたいのです。
いま考えていることはこのくらいです。こらからもっと死後離婚について調べようと思います。
様々なことを調べ、これから妻に伝えようと思っています。
まとめ
以上が、私が病院で入院したときに知り合った患者男性のお話しでした。
テレビで一度「死後離婚」という言葉は聞いたことがありました。自分にはまだピンと来ない内容でしたがこの男の人の話を聞いたときに、死後離婚が具体的にどういうことなのかがわかるようになりました。
死後離婚とは、仲の悪い夫婦だけだと思っていました。体裁とか経済的な問題で、離婚しようにもできない人が、旦那が亡くなった後に、一緒のお墓に入りたくないという理由でこの死後離婚を選択をするのだと思っていたのです。
死後離婚を考える人は、そういう人だけではないんですね。妻や夫のことを想い、死後離婚を選ぶことがあるんだと。
今後、この「死後離婚(姻族関係終了)」は社会的な問題となり、日本の家族の考え方を大きく方向転換するものかもしれませんね。
まだまだこの男の人の話は続きます。またその内容を紹介していこうと思います。

